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2001.06.22
河童を着る喜び
「えいごリアン」の中で「Where are you going?」という歌が唄われていた。
中村有志、マイケル、ジャニカの3人がさまざまなシチュエーションで互いに「どこにいきますか?」と尋ね合う英語の歌である。
マイケルが釣り人に扮した中村有志に「どこにいきますか?」と尋ねると、中村有志は「川」と答える。
特に変わったシチュエーションではないが、どういうわけだかこの釣り人、河童を同伴しているのである。
釣り竿を担いだ釣り人の後に喜々として従う河童のジャニカ。
川の主だけに魚がよく獲れるスポットを知っていて、釣り人に穴場を教える代わりに魚の2、3匹頂戴するという約束でもあるのだろうか。
なにしろ本当に嬉しそうなんである。一言も発しないのだが、「うふふ」とか「♪」といった河童の心の声が聞こえてくる。
ほんの一瞬の登場なのに、河童の喜びが全身からあふれ出し、見る者の胸を打つ。いや、そんな大袈裟な話じゃないんだけど、見ているこちらまで嬉しくなるような浮かれっぷり。普段のスキットではオーバーな演技が少々鼻につくジャニカが、抑制の利いたいい塩梅の浮かれ河童を誠に楽しそうに演じている。
「おかあさんといっしょ」の「かっぱなにさま?かっぱさま!」でも、おにいさんおねえさんたちが河童の着ぐるみで陽気に唄い踊っている。
キンチョウのCMで河童に扮している山瀬まみもやけに楽しそうだ。実は私は山瀬まみが大の苦手なのだが、あのCMの彼女だけは認めたい。ワタクシ的に見れば、あの河童こそが山瀬まみのベストワークである。出過ぎずやり過ぎず、てらいなく自然に河童を演じる山瀬まみ。「河童で良かった」「河童な私が好き」「河童で幸せ」といった雰囲気がにじみでているような気がするではないか。いや、彼女の本心はわからないが、テレビを見ている限り、そんなメッセージがひしひしと伝わってくるんである。
我々は水木しげるの漫画や黄桜のCMなどで、幼い頃から河童に親しんできた。
馬を川に引きずり込むとかヘノコダマを抜くとか、恐ろしいイメージもないわけではないが、面白くて愛嬌のある印象のほうがずっと強い。
「カッ」という勢いのある音に「パ」というコミカルな破裂音が続くのが、まず可笑しい。
そして、いつも食事で使っている皿というごく一般的なアイテムを頭にのせているのもポイント高い。好物がキュウリというのもノンキでいい。ますます親しみがわく。
芥川に「河童」という小説があるが、子どもの頃、どんな愉快な話かと思ってわくわくしながら読んだら、それなりに大人向の難解な小説だったのでひどくガッカリした覚えがあるくらいだ。
とまあ、昭和30年代生まれの我々にとって、河童というのは馴染み深く気心の知れたヤツなわけで、いきいきと河童を演じる山瀬まみや「おかあさんといっしょ」のおにいさんおねえさんの気持ちはよくわかる。
だって、私だって着てみたいもの。もし河童の着ぐるみを着る機会に恵まれたら、たぶん踊るね。いや、必ず踊る。浮かれて踊ること間違いなし。
ところで、日本で育った山瀬まみや「おかあさんといっしょ」のおにいさんおねえさんはわかるのだが、ユタ州生まれのジャニカまでが河童を着て浮かれてしまうのはどういうわけだ。ユタでも河童は人気者なのか? それとも河童には人を浮かれさせる万国共通の魔力が秘められているのだろうか。嗚呼、河童おそるべし。
そうだ、各国の語学講座のスキットで河童の着ぐるみを登場させてもらいたいな。イタリア人も韓国人もスペイン人も河童を着ると浮かれるのか、この目で確認したい。こんなところで頼んでどうなるものでもなかろうが、というよりこんなことを頼んでもどうしようもないのはわかっているが、とりあえず、NHKさんよろしく。【み】
2001 06 22 05:01 AM [学校放送] | 固定リンク
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