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2005年8月20日 (土)

奥浩哉「GANTZ」(1)〜(6)

 「GANTZ」を最初に意識したのはヤングジャンプの表紙の絵だったと思う。主人公(今思えば玄野計(くろのけい))がデカイ一輪車にまたがっている絵だ。えらくメカの絵がうまい奴がいるものだ、とその時は思った。ヤングジャンプは大学の頃読んでいたが、次第に自分がヤングでなくなっていくにつれ、内容が幼稚に思えてきて読まなくなっていた。
 その後「GANTZ」について書いている文章を読むうち気になって仕方なくなり、ついに1巻〜3巻を買うことにした。3巻だけ読んで、つまらなければ止めればよいのだ。
 だが結論から言えば「読んでみたらスゴかった。」のである。すでにヤングを卒業して十数年、そろそろチョイ悪オヤジを目指さなければならない年回りのこの俺がはまった。
 あらすじは他のサイトを参照いただくこととして。「GANTZ」の底辺を流れるのがアクの強い描写とばかばかしさ、そして巨乳である。
 ガンツが支配する世界にとりこまれた玄野たちが「宇宙人」と戦うシーン、ガンツの世界に人々がCTスキャンの様に転送されてくるシーンなどは正直かなりグロい。しかし読者に愛着をもたせるべき主人公たちを内臓まで見せてしまう表現、Shadeでレンダリングしたどこまでも正確なスケッチの背景が、読者が主人公たちへ過剰に感情移入することを抑え、突き放した第三者の視点からストーリーを見せることに成功している。
 ばかばかしさは絶対意志であるガンツが一手に負っている。人に生死を賭けた戦いを指示しておきながら、その態度はどこまでもおちょくっている。何しろ戦うよう指示した相手が「ネギ星人」「田中星人」だ。中坊かお前は。作者は思わぬ新しい支配者像をつくり出したものだ。
 主人公の旧友、加藤の人物像も魅力的だ。長身にして美青年、滅法強く(表現古臭い)女にももてるがおたくどもの庇護者、一緒に将棋をさしてやったりする。あまりコミックを読まないので知らないだけかも知れないが、こんなキャラクターがこれまであっただろうか。
 6巻まで読んだ今の時点で唯一心配なのは、多くの謎が残されていること。ガンツとは何か、何の目的で主人公たちを戦いに駆り立てるのか、主人公たちは元の世界に戻れるのか、等々。おそらく最後の最後にそれは明かされるのだろうが、謎が謎を呼ぶばかりで話が広がるばかりの「20世紀少年」や、謎に謎を重ねていったあげく破綻したまま終わってしまった「ツイン・ピークス」みたいなことにならないことを祈るばかりである。
 すでに一部アニメ化もされ、DVDも出ている今になって何をいまさら、と思われる向きもあるだろうが、久々に入れ込めるコミックに出会った興奮につい書いてしまった次第。

8月 20, 2005 at 02:35 午後 今日の漫画 |

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