沈没で亡くなった水夫の婚約指輪、90年ぶりに見つかる
第1次世界大戦中に沈没した船に乗っていた英国の水夫が指にしていた婚約指輪が89年ぶりに家族のもとに返った。
2か月前、アマチュアダイバーのピーター・ブレイディさん(51)がオークニー諸島近くの沈没船、英国海軍船オパール号の付近を潜水していたところ、海底に半分埋まった指輪を発見した。最初ブレイディさんはこれを船の部品の一つだと思ったが、近寄ってみると「スタンリーへ フロレンスから 1916年3月」と刻んである指輪であることがわかった。
指輪の持ち主スタンリー・キュビスさん(25:当時)はオパール号の機関室で働いていたが、1918年1月12日の吹雪でオパール号とやはり英国海軍船のナーボロ号が座礁、187人の乗組員とともに沈没して亡くなった。
ブレイディさんとダイビング友達のボブ・ハミルトンさん(61)はネット上にあった犠牲者リストから持ち主を特定、甥のマルコム・キュビスさん(78)へ連絡をとった。「突然指輪が見つかったという電話をもらったんだ。」 ヨーク出身の元准将であるハミルトンさんは語る。「家族はおじのことをよく話しており、オパール号の悲劇のこともよく知っているよ。」「フロレンスはおじに1916年に指輪をわたし、翌年に結婚したんだ。船の沈没といっしょに指輪も永遠になくなったと思っていたよ。」
ハミルトンさんはいう。「沈没の犠牲者に関係のあるものだとわかった時は、毛が逆立ったよ。」「ネット上を探してオパール号の犠牲者の名簿を見つけたんだ。」「スタンリーは2人いた。けど、1人のアーネスト・スタンリー・キュビスはフロレンス・キュビスの夫と書かれていたんで彼の指輪だとわかったんだ。」「リストにはスタンリーはウェストヨークシャー州のキーリー出身と書いてあったけどそこではキュビス一家の足取りがつかめなかった。そこでヨークシャー州全体を探したらヨークの近くに住むマルコム・キュビスさんを見つけたんだ。」「彼に電話してこう言った。『私の言うことを聞いてください。怪しく感じるかもしれませんが、ほらではありません。』」「私がダイビングしていた場所を言うやいなや、『オパール号だね』と彼は言いました。」
マルコムさんはこの指輪とスタンリー、フロレンスの写真をオークニーにあるオパール号の沈没を追悼する博物館に寄贈するという。(the Daily Mail:指輪とスタンリー、フロレンス夫妻の画像あり)【吉】