特定の音楽で発作がおきる「音楽てんかん」
カナダはアルバータの元銀行員ステーシー・ゲイルさん(25)は特定の音楽で発作がひきおこされる「音楽てんかん」に悩まされていた。
ゲイルさんは薬を処方されていたにもかかわらず、1日に10回もの大発作を起こしていた。症状が悪化したため彼女は銀行を辞め、所属していた教会の聖歌隊も辞めることにした。
18か月前、彼女は彼女の好きなレゲエ歌手「ショーン・ポール」の音楽で発作がひき起こされるのではないかと思い始めた。バーベキューの席でショーン・ポールの曲がかかった途端倒れた彼女は、以前にも彼の曲を聞いた時に発作が起きたことを思い出したのだ。
彼女の疑いは2月にニューヨーク州のロングアイランド・ジューイッシュ・メディカル・センターで確認された。医師の前でショーン・ポールのヒット曲「テンプラチャー」を聴いた彼女は3回発作を起こしたのだ。てんかんと診断されてから4年、ゲイルさんは脳の外科手術をうけることとなった。
初回の手術では脳の異常な部分を特定するため、彼女の右脳には100以上の電極がとりつけられた。2度目の手術では電極とともに発作をひき起こす原因と疑われた部分が切除された。
「異常な部分を特定するためイメージガイダンスをはじめとする最新の技術を用いました。マイクロスコープを用いた4時間の手術になりました。」と同センターのてんかん手術の責任者、アシェシュ・メータ医師は語った。
手術後3日でゲイルさんは退院し、以来発作はおきていないという。「毎日人生最後の日のような気分で生きてきました。」「ほかの人たちに、てんかんで人生が終わるわけではないことを知ってもらいたいです。」と彼女は語った。 (msnbc.com)【吉】