傷もないのに出血してしまう少女の気の毒な日常
インドのウッタルプラデシュ州に住むTwinkle Dwivediさん(13)は不思議な病気を持っている。傷もないのに皮膚から血が流れ出すのだ。目や鼻、髪の生え際、首や足の裏から多量の血がしみ出すあまり輸血を受けなければならないこともある。病状が悪化した時などは、朝起きると体中が乾いた血で覆われていることもある。近所の人々は彼女が呪われていると信じ、残酷な言葉を投げかける輩もいるという。
家族は多くの医者やいろんな宗派の聖職者に助けを求めたが、一向に効果はない。「娘を救ってやりたくてなりません。」母親のNandani Diwediさん(42)はいう。「私たちは迷信深くはありませんが、必死になって寺に行き、モスクや教会に通い、スーフィズムの聖者にも会いました。けれど誰も娘を治せないのです。」
インドの医師は、Dwivediさんは血小板異常の極端な症例だと考え、治療することができないとしている。しかし彼女の症状は治療可能な凝固障害だと考える英国の専門医が現れ、ひとすじの光明がさした。
昨年までDwivediさんは学校生活をエンジョイする普通の12歳の少女だった。しかしある時突然、1日に5回から20回出血をするようになってしまった。「とても怖かったわ。」と彼女はいう。「痛みはないの。でも怖くて汚らしくて、友達も気持ち悪がったわ。」「学校に着ていくブラウスは全部赤くなってしまったの。誰も近寄ったり遊んだりしてくれなくなったわ。」「以前は血が流れ出すたびに泣いてしまったけど、今では落ち着いていられるわ。」
彼女はこの症状のせいで学校を辞めさせられ、ほかの学校も受け入れを拒否しているという。今では自宅で勉強をし、ほかの子供たちに会うこともあまりない。
母親のNandaniさんはいう。「娘が心配です。体が弱く、血が少ないので顔色も悪いんです。」「娘は孤立して落ち込んでいます。元気になって学校に戻りたいと言っています。」「インドの医者は無能です。彼らには娘を救うことはできません。」
2007年の7月、最初に口から出血が始まったという。両親が医者に連れて行ったところ、潰瘍と診断された。しかし2、3週間後、出血は鼻や目、足、髪の生え際に広がっていった。両親は多数の医者に娘を診せたが出血の原因はわからなかった。
父親のAditya Kumar Diewdiさん(47)はいう。「医者は皆こんな症状は見たことがないというんです。」「ある医者はやらせだと言って我々を責めるんです。どうしてそんなことができますか。」
最終的にデリーの全国医学協会(All India Institute of Medical Sciences)は彼女の症状を、血小板が異常に少なくなる第2種の血小板異常と診断した。彼女の血液は薄くワイン色をしていると診断されたが、血を濃くする方法は誰にもわからなかった。
しかし英国の医師は別の診断をし、彼女が治る可能性はあるとしている。ロンドンのバーツ医院の血液学者のドリュー・プロヴァン医師はいう。「彼女は2種のフォンウィルブランド病です。治療には血液凝固の専門医に診せる必要があります。」 プロヴァン医師は彼女の症状は血小板の数の少なさが原因ではなく、血小板の血管への粘着を左右するフォンウィルブランド因子が原因だという。
しかしDiewdiさんの家庭は貧しく、実際の診断がなければ彼女はますます弱っていくばかりだ。彼女はこれまでも何度か輸血を受けているが、いつかより大量に出血することを恐れている。
「頭から出血する時は頭が重くなるの。」「目から出血する時は目の前が真っ赤になってヒリヒリするわ。出血の後目を洗うと痛いのよ。」 Diewdiさんには3人の姉がいるが、皆妹の将来を心配している。一番上の姉Parul,さん(21)は「毎日妹の治療法が見つかることを祈っています。」という。母親は「娘が健康になるならば何でもします。」と付け加えた。 (Telegraph:目や足から出血するDiewdiさんの画像あり)【吉】