驚異の鉛筆の芯彫刻(画像あり)
コネチカット州の大工、ダルトン・ゲッティさん(49)は鉛筆の芯を使った彫刻を25年間つくり続けている。
ゲッティさんは「学校に行ってる頃は友達の名前を軸に彫ってプレゼントしたものです。彫刻を始めてからは大きな木彫もやりましたが、できるだけ小さなものにチャレンジすることに決めたんです。チョークなどを試してみましたが、ある日思いついて鉛筆の芯を彫刻する事にしたんです。」と語る。
ゲッティさんは作品をつくるのに3つの器具を使う。かみそりの刃と縫い針、彫刻刀だ。作成の際には拡大鏡は使わず、できた作品は売らず、友人にプレゼントするだけだという。一番時間がかかったのは繋がった鎖をつくった時で、2年半かかったが、普通の彫刻は数か月でできるという。
この彫刻を始めた頃は、何か月もかけた彫刻が途中で壊れてしまいいらだったという。「力をちょっと入れすぎて芯が壊れた時は気が違うかと思いましたよ。だから私は考え方を変えることにしたんです。新しい彫刻を始める時は『結局壊れることになるが、どれだけ長くつづくかやってみよう』と考えることにしました。それ以来壊れる作品も少なくなりました。」と彼は語る。
ブラジル生まれのゲッティさんは途中で壊れた100以上の彫刻を箱にいれ、「墓場コレクション」としている。「かなりの数の失敗作ができたので、ピンの上にのりづけをしてスタイロフォームに刺してケースに入れています。」「変に思われるかもしれませんが、壊れたものも面白いんです。何か月もかけたものですから、今は壊れていまいましたがある時点では命を吹き込もうとしたのです。」
ゲッティさんは今100以上の作品を完成させたが、今取り組んでいるのはワールド・トレード・センターの事件に触発された大作だという。「あの事件で亡くなった方3千人分の涙の彫刻をつくることにしました。2002年から毎日一つずつつくり、できあがったら大きな涙の形に並べるのです。10年くらいかかりますが、その価値はあります。」と語った。
(Telegraph:画像全部で17点)【吉】