子供の視覚は13歳まで成人と同じようには見えていない
ある研究によれば、子供の視覚は13歳になるまで成人と同じ物の見え方をしていないらしいことがわかった。
陰影のついた画像が出っ張っているかへこんでいるかを判断するにあたって、成人の脳は、他に理由がない限り光が上から射しているいるものと考える。しかし子供の脳にはこの働きが備わっていないというのだ。
脳がこの働きをいつ獲得するのかを調査するため、英国シェフィールド大学のジム・ストーン氏は4歳から10歳の171人の子供に四角などが浮き彫りになった形や足跡のような陰影のついた画像を提示した。子供たちにはそれぞれ10の画像を見せ、それらが出っ張っているかへこんでいるかを質問した。光が上から射しているというのが「正しい」答えだ。
子供達は年齢につれて正解するようになり、10点満点の検査で平均して1歳につき0.43点の改善がみられた。もし調査の対象年齢以外の子供も同じ率で物の見え方が改善するならば、およそ21か月頃から光は上から射すということを学ぶが、13歳くらいまでは完全でないだろうとストーン氏は推測する。
「子供は文字通り成人と違った目で世の中を見ており、そのために彼らの知覚は変わりやすいのです。」「雲を見て犬や熊が見えるのも不思議はないのです。」とストーン氏はいう。 (New Scientist)【吉】