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2011年1月10日 (月)

カリフォルニアの砂漠にそびえる民俗ポップアート「サルベーション・マウンテン」

 カリフォルニアの砂漠の荒涼とした道路をドライブしていると、パームスプリングスの南約130kmに不思議な光景が見えてくる。1kmほど離れたところからは、道路横の山に原色が溢れているようにみえる。少し近づくと、原色の形見え始める。丘の側面をキャンバスにした巨大なペインティングだ。より近づくと、言葉が見え始める。宗教的なメッセージが。
 サルベーション・マウンテン(救済の山)へようこそ。カリフォルニア州ニランドの郊外にあるこれはレナード・ナイトさんの見たビジョンであり、彼の創作物だ。彼のメッセージは単純だ。「神は愛」。そして丘の頂上、巨大な十字架の下にこのメッセージが書かれている。
 1983年この土地にきて以来、ナイトさんはこの巨大な民俗芸術に疲れも知らず取り組み続けている。聖書の言葉や宗教的なメッセージばかりでなく、様々な樹木、青い鳥、花、滝、太陽などカラフルな物や風景を描き続けているのだ。
 彼が宗教に目覚めたのは1960年代。80年代初頭に宗教的メッセージを記した熱気球を揚げるつもりでこの地にやってきた。しかし熱気球が揚がらなかったため、このサルベーション・マウンテンを造ることを考えついたという。
 彫刻や絵画で飾られた丘の主要な部分は高さ15m、幅45m。煉瓦用の泥を丘に押し固め、彩色をしている。
 この丘の隣にこの作品の別の部分、藁を積んで粘土で固めペイントを施した多層的な「美術館」が続く。全ての部屋がより色とりどりの愛と信仰のメッセージで装飾されている。
 砂漠を旅行し、黄色い煉瓦の階段を上り美術館を見て回る人は、しばしばナイトさんと話す機会を得られる。彼は山のふもとに停めてある、寄付をうけたシボレーの51年型トラックに住んでいるのだ。車内にはエアコンはなく、ナイトさんは砂漠の過酷な気候に立ち向かっている。
 彼を毎日山のペインティングに取り組ませているものについて、ナイトさんはこう語る。「私は神やイエスについていつも思いを巡らせているだけです。神に愛されていることを皆が知ったら世の中はどのようになるかを考えているのです。この山がもたらす最も実りのある側面は、人々が私に愛を与えてくれることです。私は全ての人を愛し、全ての人が私を愛してくれるようです。私は物事がだんだん良い方向に向かい、愛がより大きなものとなり、世界中がお互いを、そして神やイエスを愛するようになると信じています。」
 サルベーション・マウンテン近くに住むケヴィン・ユーバンクさんが、ここ15か月ほどナイトさんの世話をしている。「ここを訪れる人々は何らかの刺激をうけるようです。」「どんな宗教を信じているか、あるいは神を信じていくても問題ではないのです。国中からここを訪ねてくる人、有名人やスポーツ選手、宗教的な有名人もいますが、みなナイトさんがつくりだしたものを体験しにくるのです。」
 ナイトさんは79歳。耳はほとんど聞こえず目もほとんど見えないが、毎日のようにペインティングは欠かさない。「私が梯子を動かし、彼が描くのです。」とユーバンクさんはいう。「彼のことは15年近く知っていますが、彼のような人物は地球上にはいませんよ。彼の信仰、献身、善に関する基本的な感覚は注目すべきものがあります。それが人々をひきつけるのです。」
 財源は人々の寄付でまかなっており、どんな形の寄付も歓迎するとしている。サルベーション・マウンテンは州の土地に無許可でつくられたものだが、2002年、バーバラ・ボクサー上院議員により連邦議会で「国家的財産」と指定されてからは保護されている。(Aol News:画像あり)
 アウトサイダーっぽさには欠けるが…公式サイトもあるよ。【吉】

1月 10, 2011 at 03:56 午後 今日のトピックス |

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