ヨーロッパで最初に人工指を装着した「38,000ポンドの少女」
英国の15歳の少女が、ヨーロッパで初めて人工指を装着した。
クロエ・ホームズさん(15)は子供の頃敗血症で全ての指を失い、自分でものをつまみあげることができなかった。このたび両親が38,000ポンド(約480万円)を捻出し、左手の神経末端からの信号を受けて動く人工の左手指フルセットを入手した。ホームズさんは今歯みがきや、ナイフとフォークを使うなど基礎的な動作を学んでいる。
「大変な思いをして育ちました。スポーツはおろか物も持てないんです。」「人工指の最高なところは物をつかめるということです。難しいですけど慣れてきました。」と彼女は語る。「学校に行って皆に見せる時が楽しみです。」
ウィルトシャー州スウィンドンに住む彼女は、3歳半の時水疱瘡にかかった後連鎖球菌による敗血症を発症した。ブリストル児童病院での3か月の治療中、心臓が4度停止し蘇生も危ぶまれた。結果的にホームズさんは左手の指を全て失い、右手も親指と一本の指の半分を残して失ってしまった。
両親のスーさん(41)とピートさん(41)は、人工指が高価であるにもかかわらず、購入を躊躇することはなかったという。「娘と人工指について話しました。娘は38,000ポンドは高いと言っていました。」「私たちはもしこれが娘の助けになり、娘が使いたいのであれば、買うべきだと判断しました。」「娘も私たちも人工指に夢中になりましたが、人工指は我々の想像よりはるかに良いものでした。」「指は一本一本別に動かないものだと思っていましたが、動くんです。素晴らしいものです。」「人工指は娘の人生を変えました。今では歯磨きや、ナイフやフォークを使うなど簡単なことなら自分でできるのです。」
ホームズさんの手に合わせて特別につくられたこの人工指は袖の中でセンサーに繋がっており、指をコントロールすることができる。彼女はアメリカ以外で人工指を使う最初の人となった。今後いろんな場面で注目を浴びることになるだろう。
ピートさんはいう。「先日娘にバーに酒を買いにやらせたら、皆びっくりしていました。」
スーさんは「(人工指の装着に)スコットランドに行った帰りちょっと寄ったんです。娘が指を動かしてみたら皆驚いていました。」と語った。 (Telegraph:ホームズさんと人工指の画像あり)【吉】