英国中北部の森の中で見つかるコインだらけの樹の謎(画像あり。蓮コラ苦手な人は注意)
英国の森の中では、コインをびっしりと打ち込まれた切り株がいくつか見つかる。この切り株は英国中部、ダービーシャー州の国立公園があるピーク・ディストリクトから、英国北部、スコットランドのハイランド地方にわたって見られる。
コインは、通行人が幸運を祈って切り倒された木の幹に石を使って打ち込んだものだ。中には何世紀も前に打ち込まれたコインが幹の中深く打ち込まれており、時が経つとともにゆがんでしまっている。この「願いの樹」に願い事をする風習は何百年も前から始まったものだが、この人工物と自然物のとりあわせは非常に珍しいものだ。
樹の中には聖なる神霊がいると信じられており、現在でもクリスマスツリーがそうであるように、しばしば菓子や贈り物で飾られる。これは幸運を祈って泉にコインを投げ入れる行為や、最近恋人の間で流行っている、永遠の愛のしるしとして橋やフェンスに南京錠をかける行為を連想させる。
カンブリア州アシュカムにある「パンチボウル」をはじめとするいくつかのパブには精霊が住むという梁があり、幸運を祈ってコインが押し込まれている。
ウェールズのポルトマイリオンという風光明媚な村にはこうした切り株が7本ある。不動産管理人であるマイリグ・ジョーンズさんはBBCに対してこう語った。「最初にコインだらけの木の幹を見た時は、なぜそんなことをするのか解りませんでした。」「探偵のようなまねをして、この樹が『願いの樹』として使われていることがわかったんです。」「英国ではこの習慣は1700年代に遡ります。スコットランドのある場所にはフローリン硬貨が埋め込まれた樹があります。」 彼は病人がコインを打ち込むと病気が治るという。「その硬貨を抜いた人物が、今度は病気になるといわれています。」「この習慣を宣伝した事はありません。たまたま始まったんです。」「まったく驚くべき習慣です。」
スコットランドには「キスの樹」の伝説もある。若者が一撃で釘を撃ち込むことができれば、恋人からキスをしてもらえるという樹だ。またオノ・ヨーコは作品の中で「願いの樹」を使ったことがあり(東京福袋註:むしろ七夕からの発想では)、1877年にはヴィクトリア女王がハイランド地方でコインが埋め込まれた樫の木を訪問した事を記録に残している。(Mail Online:画像はこちら。いわゆる『蓮コラ画像』が苦手な人は注意)【吉】