チェンマイの学校でナチの仮装パレード開催
チェンマイのセイクリッドハート・プレパラトリー・スクールで、体育の日前日のイベントで生徒たちがヒトラーやSSの扮装をしナチ式の敬礼をした件について、ユダヤ系の人権団体が、タイのキリスト教のリーダーに対し、同校を非難するよう求めた。
ロサンゼルスに本拠地がある国際的なユダヤ系の人権団体、サイモン・ヴィーゼンタール・センターは9月26日、同校のこの催しを「ナチを美化するもの」と非難する声明を発表した。
この催しでは一人の少女が口ひげをたくわえたヒトラー風の扮装をし、鍵十字の旗を持つ生徒やプラスチック製の銃を持ちナチの制服に身を包んだ生徒を率いて行進した。
サイモン・ヴィーゼンタール・センターの副主席司祭、アブラハム・クーパー師は、画像を見る限りこの催しは学校側の協力なしには開催できなかったことは明白だとしている。
クーパー師は学校側に「この恥ずべき催しを進めた」責任者に対する処置を直ちに行うよう求めた。「このような催しがホロコーストの生存者や犠牲者の家族に対し負わせる苦痛ははかり知れません。教育の場からこのような侮辱がなされることは決して正当化できるものではありません。」と師は語った。
アジアを頻繁に訪れる師は、2007年バンコクの学校で約200人の生徒が同様のパレードを行い、また最近タイのロックバンド「スラー」がナチの象徴を身につけていたと指摘した。私学委員会のチャンウィット・タブスーファン事務局長は学校側は今回の事件について反省と謝罪の意を表明しているという。今回の催しは画像がネットに投稿されるや激しい批判が起きていた。
体育の日のパレードでは伝統的に扮装をし、扮装のテーマは当日まで秘密にされることになっていた。そのため教師側も今回の扮装については知らされていなかった。生徒側もナチをテーマとすることが微妙で否定的な意味合いがあることを気づいていなかったという。(Bangkok Post)
サイモン・ヴィーゼンタール・センターのサイトにもいくつか画像がある。【吉】