ベラルーシ領空をスウェーデン機が侵犯、大量のテディベアを投下
ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、7月4日にスウェーデン機が領空を侵犯し多数のテディベアを投下していった事実を認めた。同大統領はこれまでこの件について否定を続けてきた。
テディベアには黒いパラシュートがついており、「ベラルーシに自由を」「言論の自由と戦うベラルーシを支持する」などのメッセージが添えられていた。テディベアは首都ミンスク郊外のIvyanetsという街に落下した。これは民主化運動グループ「チャーター97」に協力してスウェーデンの広告代理店、スタジオトータル社が無償で行った行動だ。飛行機はベラルーシに隣接するリトアニアから飛来した。
同社の「禁止事項及び免責事項」のページには、「独裁国家」の軍事圏内に侵入することは「真の危険」を伴うと認めている。同ページには「このキャンペーンの全てをスタジオトータル社が負担しています。飛行機は当社のものであり当社が操縦しています。国際法を犯すことを決して支持するものではありませんが、最終的には従うべき唯一の法は自分の良心です。」と記してある。
ベラルーシの空軍は当初スウェーデン機の飛来の話は挑発行為であるとして否定していた。大統領は7月24日の軍の近代化に関する会議において「軽飛行機が何事もなく国境を越えベラルーシの領空を侵犯することがなぜできたのか。これは真っ先に国民の安全に関わる問題だ。」と発言したと伝えられている。また大統領は犯人と同様、飛行機の飛来を許した軍や国境治安部隊の数名は罰せられるべだとした。
また木にひっかかったテディベアの写真をネットで投稿したとして、フリーのジャーナリストAnton Suryapinさんが逮捕され、その後抑留が続いている。
ルカシェンコ大統領は1994年旧ソ連時代からベラルーシの大統領を続けている。2005年にはアメリカのライス前国務長官がベラルーシについて「ヨーロッパの中心に残った最後の独裁国家」と発言している。(USA Today)【吉】