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2012年10月21日 (日)

32年ぶりに記憶を取り戻した女性、家族と再会

 32年間亡くなったものと思われていた女性が、記憶をとりもどし家族と再会した。
 スーザン・マーシャルさん(61)は1975年南アフリカに移住後に交通事故で記憶喪失となり、自分の名前も思い出せなくなった。家族は救世軍、赤十字、TVショーなどを通じマーシャルさんを探したが失敗に終わり、彼女は死んだものと諦めた。しかし約1年前突然彼女は弟や妹の名前を思い出した。だが自分の名前だけは思い出せなかった。
 彼女はフェイスブックで自分の家族を見つけだし、ついに自分の名前も思い出すことができた。10月17日彼女は故郷のイギリスに帰り、自分の妹や弟と再会した。彼女はマンチェスター空港で家族と抱き合い涙を流した。彼女はいう。「故郷に帰ってこられたなんて信じられません。家族は自分のことを忘れてないと信じてたけど、こんな日がくるとは思いませんでした。とても嬉しいです。」

 マーシャルさんを悪夢が襲ったのは南アフリカに移住して5年経った時。彼女が電気技師の夫シドさんと旅行中、彼らの車にトラックが突っ込んできたのだ。当時夫のシドさんの暴力のため夫婦の中は冷えきっていた。彼は事故を彼女と別れるチャンスだと考え、現場を離れて自宅に帰り、4人の子供には母親は皆を捨てて出ていったと話した。彼は後日別の女性とイギリスに帰国したが、マーシャルさんの家族には彼女の身に起こったことを話さなかった。彼は今年の前半に亡くなっている。
 一方マーシャルさんは車から農場に放り出され、頭に大怪我を負った。彼女はそれ以降16年間その農場で暮らしている。彼女は言う。「農場の家族が助けてくれました。」「農場の息子さんが幸いお医者さんで、私を手当してくれたんです。私は何も思い出せませんでした。自分の名前さえも。」「16年をその家族と暮らしました。家族は私の面倒をみてくれ、私は農場で働き始めました。」 マーシャルさんは家族に「ニッキー」と呼ばれていたが、南アフリカのアパルトヘイト撤廃の混乱の中彼女は事実上存在しない扱いになってしまった。銀行の講座も開設できず、公式なIDも国籍もなく、自分が誰かを探るあてもなくなってしまった。その後彼女は農場を離れ、宿泊所や保護施設を転々とした。

 しかし昨年の11月、夫のシドさんや子供の記憶が突然蘇ってきた。直後に移転した先のヨハネスブルクの保護施設で仲良くなったジュディ・ジャニュアリーさん(53)と娘のアンドレアさん(26)に励まされ、いくつか持っていた昔の持ち物をたよりに記憶をとりもどす努力を始めた。
 ある日、彼女は細かく破られた紙きれを見つけた。「そこには字が書いてありました。自分でそれを書いたのか、いつ、なぜそれが細かく破かれているのかわかりませんでした。」「その紙切れを床に置いて並び替えていたら言葉が現れました。」「そこには『ドーン、コリン、ゲイル、ジュリー』という名前が書いてありました。」 それは、彼女が事故の前日まで毎週電話をかけ話していた弟や妹の名前だった。
 彼女はネットに詳しいアンドレアさんに、弟や妹の姓、自分の旧姓は「アードロン」だったと思うと話し、アンドレアさんはフェイスブックでその名前を探した。そして該当する名前の人々がサウスヨークシャー州に住んでいることを突き止めた。

 アンドレアさんはその人々に、行方不明の姉はいないかと尋ねるメッセージを送った。弟や妹たちは返事を送ったが、冗談だと思っていたという。彼らはアンドレアさんにマーシャルさんの画像を送るよういい、その画像を見るなりマーシャルさんだとわかり、喜びの涙を流したという。
 喜んだ弟や妹はすぐに彼女に電話をかけ、互いの消息を確認しあった。その中で、彼女の両親のコリンさん(82)とメイビスさん(79)が2009年にすでに亡くなっていることを知った。両親は娘がいつか戻ってくることを信じて、彼女が消息を断った当時の家を離れようとしなかったという。マーシャルさんは涙に暮れていう。「両親のことを愛していました。とても仲が良かったんです。両親は私のことを決して諦めないと思っていました。」「両親は私がいつか帰ってくることを知っていて、引越しをしなかったんです。けれど帰るのが遅すぎました。」

 17日朝彼女はバージン機でヒースロー空港経由でマンチェスターへ向かい、彼女を待っていた弟のコリンさん(39)、妹のドーンさん(58)、ゲイルさん(54)、ジュリーさん(51)と再会した。コリンさんに最後に会った時彼はまだ幼かったが、飛行機から降りてくる彼を見てすぐわかったという。彼女は弟の腕の中で泣いた。
 泣きながら彼女は妹たちを抱きしめた。彼女はいう。「最初に妹たちと接触できた時、私は大泣きしました。信じられなくて床に突っ伏して泣きました。」「家族のもとに帰ってこられて幸せです。二度と遠くにはいきません。家族は私が死んだと思って、私と同じくらい胸を痛めたからです。私が帰ってきて皆揃いました。皆のところに帰ってこられて幸せです。もう皆私のことは忘れないでしょう。」「きょうだいの消息を突き止めてくれたジュディとアンドレア、私を送り帰してくれたサン紙、外務省、バージン社とブリティッシュ・エアライン社に本当に感謝しています。」

 きょうだいたちは家に帰り、地元のパブでマーシャルさんの帰宅を祝ったという。彼らはマーシャルさんの生活を立て直すため彼女の家を手に入れようとしている。彼女はまだ子供のジョアンナさん(44)、ジェイソンさん(40)、アデルさん(38)、アマンダさん(36)に会わなければならない。彼女は自分の子供達の名前も思い出せなかったが、妹や弟と連絡がとれて以来、電話で話しているという。「もちろん子供と会うのは楽しみです。皆私の子供ですし、これからもずっとそうですから。」

 コリンさんはいう。「姉が帰ってきてくれたのは素晴らしいことです。いろんな感情がわき起こって、正直なところまだ十分実感できません。現実のこととは思えないんです。」「これからが大変です。姉はイギリスでの生活に慣れるのに時間がかかるでしょうね。けれど姉は自分の場所に、家族のいる場所に帰ってきたんです。」(The Sun:画像あり)【吉】

10月 21, 2012 at 05:31 午後 今日のトピックス |

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