ゴミで偽のクモをつくるクモ発見。新種か。(動画)
ゴミや虫の死骸などを使い、巣に偽物のクモをつくる新種とみられるクモがペルーのアマゾンで発見された。ゴミグモ属の一種と考えられているこのクモは、葉やゴミ、虫の死骸などを使って大きなクモの形をつくる。ゴミグモ族にはゴミで形をつくるクモがいることは知られていたが、足までクモの形を再現するクモは初めての発見だ。
研究者はこの偽物のクモは、捕食者を混乱させたり注意をそらすためのデコイとして機能しているものとみている。ペルーのエコツーリズムの会社「レインフォレスト・エクスペディション」のブログでこの発見を報告したフィル・トレスさんは「大変うまく進化した、非常に特殊な行動だと思います。」と語る。トレスさんは生物学者であり教育者でもあり、南カリフォルニアとペルーで生活をし、研究や教育プロジェクトに従事している。
トレスさんは9月にペルーのアマゾン西端にあるタンボパタ研究センターの周囲に広がる氾濫原で来訪者の案内をしていたところ、クモの巣の中にクモの死骸のようなものを見つけた。それは菌に覆われた死骸のように見えたが、動き出したという。よく観察すると動いたように見えたのは錯覚で、この体長約2cmの「死骸」の上にもっと小さな本物のクモを見つけた。縞模様のある体長5mmほどのクモが巣を揺らしていたのだ。トレスさんがこれまで見たこともないクモだった。「頭が真っ白になりました。」とトレスさんはいう。
トレスさんはコーネル大学のクモ学者、リンダ・レイヤーさんに連絡し、これが珍しい発見であることを確認した。「このクモは未確認と思われます。」「もし確認済みの種だったとしても、この行動は報告されていません。」とレイヤーさんから回答があった。レイヤーさんは新種であることを確認するにはさらに観察が必要だとし、足のついたデコイをつくり、巣を揺する行動はゴミグモでは知られていないとしている。(Wired.com)
少し前のニュースで恐縮です。【吉】