ペニス泥棒、今度は中央アフリカに出没か
「4人の男性のチンコを消した男、逮捕される」、「『ペニス泥棒』の噂でコンゴ首都はパニックに」で伝えたペニス泥棒事件がその後もアフリカを席巻してるようだ。今回の舞台はコンゴに隣接する中央アフリカ共和国。カメルーン、ナイジェリアを含むアフリカ中央部、西部で20年ほど前から流布しているらしい。この件についてカリフォルニア大バークレー校の博士研究員、ルイーズ・ロンバードさんがAlternetで伝えている。【吉】
(以下ロンバードさんの記事)
中央アフリカでは村にやってきた者を手厚く歓迎するのが一般的だ。したがって私が2010年、中央アフリカ共和国の人里離れた一角にある人口2,000人の町Tiringoulouに到着した朝、多くの人が私と握手したがらないのに気づいて驚いた。すぐに理由はわかった。その前日スーダンの商人のトラックに乗って町を通り過ぎた旅行者が、握手一つで2人の男性のペニスを奪ったからだ。
目撃者の言葉をつなぎ合わせると、この旅行者は茶を一杯飲むために市場に立ち寄った。旅行者は商人に金を渡すとその手をしっかり握りしめた。この時商人の体に電気のような痛みがはしり、自分のペニスが赤ん坊のものより小さく縮んだのを感じたという。彼が叫び声を上げたため人が集まってきたがその騒ぎの中で2人目の犠牲者が出たという。
この話を聞いて私はショックを受けたというよりは興味を惹かれた。この地域を研究する人類学者として、ペニス泥棒の話にはなじみがあった。私を驚かせたのはこの現象が、見方によってはこの噂が、遠くTiringoulouまで伝わっていたことだ。
ペニス泥棒の話はこの20年ほどの間、伝染病のように西アフリカ、中央アフリカに広がっている。魔術師によるペニスの再生の話もそれと並行して広がっている。人類学者たちはこの話の拡散について、ますます難解で先行きが見えなくなる世界経済への反応だと考えている。つまり今日のアフリカのように経済の仕組みがまったく不透明で、複雑さと汚職の陰で物事が進むような場合、しばしば人間の器官の取引の話を含む「オカルト的な経済」の噂は目の前の極端な富の格差をより納得しやすく説明づけるのだ。
とは言ってもペニス泥棒の話は新しいものでも、アフリカに限定されたものでもない。15世紀と16世紀には同じようなパニックが中央ヨーロッパを襲っている(1486年に魔女の危険性を訴えた書「魔女に与える鉄槌」には男性の生殖器を奪い鳥の巣に保存する魔女についての論議が収められている)。また1967年にはシンガポールでペニスが体の中に消えてしまう「コロ(koro)」という病気の噂が蔓延した。
今日のアフリカでは、ペニス泥棒の話を研究する学者はこれを都市における現象と捉えている。村人が集団で都市生活者になり、多数の見知らぬ人の中で暮らすようになる際に充満する不安が極端な形で現れたものだというのだ。そのためほとんどの事件はナイジェリアのラゴス、カメルーンのドゥアラのような人口が集中した場所で報告されている。しかし私は今Tiringoulouという、ほこりっぽい、ピーナッツが生える、市場すらないような寒村にいるのだ。もしペニス泥棒が都市住民の不安なのだとしたら、この最も人里離れた場所さえも例外でないことになる。しかし実際のところ、何の例外でないのだろうか。
ペニス泥棒の問題では別の一面での被害者がいることを伝えた方が公平だろう。
Tiringoulouの市場での混乱のすぐ後、町を支配する武装グループのメンバーが問題の旅行者を保護するため身柄を確保し厳しい尋問を行ったと彼らから聞いた。群集の中に彼を置いておけば町の女達に手足を引き裂かれただろうというのが彼らの言い分だ。しかし彼らの言う保護は長くは続かなかった。ペニス泥棒とされた旅行者はその日銃で撃たれて殺されたというのだ(手続きを無視した処刑に対する国際法の厳しい見方を知ってか、処刑を指揮していた者は別の説明をしている。彼は旅行者が拘置した部屋から忽然と消えたと言うのだ。)。
ペニスを盗まれた者について、何人かの目撃者は私にペニスが驚くほど縮んでいたと断言している。私自身はそのような詳しい説明を信じるつもりはないが、一人の被害者の自宅を尋ねたところ、彼は明らかに具合が悪そうだった。彼はスウェットパンツをはいて家の外の木陰のマットに腕を支えにして横たわり、動きが緩慢でだるそうな様子だった。何人かの友人が彼と語り合っていた。茶を何杯か飲みながら、私は彼に今回の出来事をどう理解しているか尋ねた。
ペニス泥棒は違法で金になる人体の器官の取引が目的だ、と彼らは語った。「ビルが建ち並ぶような場所から来た」カメルーン人やナイジェリア人がこのビジネスに精通しているという。一人が私に尋ねた。「カメルーンがどんなに進んでいるか知っているか。」「奴らは全ての商売に長けていて、ペニスや頭の皮も取引しているんだよ。」彼らによれば、盗まれたペニスは儀式用に心霊治療師に売られ、そうでない場合は奪われた被害者が有償で売りつけられるのだという。しかし本当の売却先はヨーロッパで、カメルーンにしばらく住んでいた男が言うには、彼はフランスパンの中にペニスを何本か入れてヨーロッパに密輸しようとして空港で逮捕された女の話を聞いたことがあるという。
私は町の医者にどう思うか聞いた。彼は被害者を救えるか。彼は私が今回の出来事をどれくらい信じているか見極めるようにゆっくりと頭を振り答えた。「この魔術には西洋の薬は効きません。これは奇妙な力なのです。」
全く奇妙だ。しかしおそらく西洋人である我々に馴染みのあるいくつかの悩みよりは奇妙ではないだろう。もしペニス泥棒が並外れて奇妙だと思うなら、鏡の中の自分の姿を見て太っていると思い込み、死に至るまで飢えるアメリカ人の話を聞いてTiringoulouの人々がどう感じるかか考えてみるといい。(Alternet)
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3月 19, 2013 at 12:33 午前 今日のトピックス | Permalink
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