2022.08.15

渋谷定点観測02-22 その2 公園通り(1)

007 マルイシティ渋谷店

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「マルイシティ渋谷店」は2015年に「渋谷モディ」に業態転換。若者向けアパレル中心の仕入れ販売店舗から30〜40代向けのカルチャー中心のテナント型店舗になった。(シブヤ経済新聞「渋谷モディ、11月19日開業へ『知的商業空間』コンセプトに」)
マルイについては神宮通りを隔てて向かいの「渋谷マルイ」が2022年8月で一時休業、日本初の木造商業施設へ建て替えが行われる。2026年完成予定。(渋谷マルイ NEWS RELEASE「日本初の本格的な木造商業施設 誕生へ」)

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008 公園通り

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「GAPストア渋谷店」は2017年閉店。翌年「スーパースポーツゼビオ 渋谷公園通り店」がオープンした。外装は変わったものの建物自体は建て替えていない。(シブヤ経済新聞「渋谷・公園通り『ギャップ』跡に大型スポーツ店『ゼビオ』 3D計測や限定商品も」)
「渋谷パルコ」は2019年に地上20階の「渋谷パルコ・ヒューリックビル」に建て替わった。公園通り側のファサードが白い壁になり、「公園通り VIA PARCO」のサインも消え、かつての、坂の上のパルコを中心として通り全体がデザインされている雰囲気は薄まった。

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009 神南一丁目バス停

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街路灯のデザインが変わり、「公園通り VIA PARCO」のサインも消えた。電話ボックスはこの場所からは撤去されたがいくつか残されている。バス停はポール型からここには写っていないが上屋がついたタイプに変わっている。

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010 東京山手教会

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2000年まで「小劇場 渋谷ジァン・ジァン」であった地下は2002年時点では「ルノワール」に、2022年にはレンタルスタジオになっている。

8月 15, 2022 ■渋谷区渋谷定点観測02-22 |

2022.08.08

渋谷定点観測02-22 その1 文化村通り

「渋谷定点観測02-22」について
渋谷の街は渋谷駅開業以降、関東大震災に伴う人口の移動、戦災復興、高度成長期、バブル期と変化を遂げてきましたが、2010年代以降の大規模な開発により過去にも増して大幅な変化が起きています。

こうした開発による街並みの変化は、最終的には地図上に記録されることになりますが、それはあくまでマクロな都市構造の変化の記録にしか過ぎません。ミクロな、我々が路上で目にしている風景、すなわち建物の意匠や路上の事物、看板、壁面の落書きなど人々の行動の痕跡、そうしたものは公の記録として残されることはなく、それぞれの時代を生きた人々の記憶の中で時間とともに薄れていくしかありません。
今後も変化し続ける渋谷の風景が忘れられることにせめてもの抵抗をするとすれば、それは定点観測的に風景を画像として切り取り保存することでしょう。

2002年の7月、渋谷のここまでの変化を予測していなかった頃、渋谷の風景を記録するため各所で写真を撮影していました。ちょうど20年を経た2022年7月、再度同じ場所から写真を撮影し、現在の風景を保存するとともに、過去20年の街並みの変化を振り返ろうと思います。

 

001 渋谷109

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この地点からの風景はほとんど変わっていない。あえて言えば、「渋谷109」のロゴ(2019変更)と109の左側からのぞいている「ザ・プライム」の看板の色が変わった程度だろうか。

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002 文化村通り 玉久ビル

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「渋谷109」に向かって右側のこのビルは一見わかりづらいが109とは別のビルである。109完成当時はここに木造平屋の飲み屋「玉久」があった(東京些末観光「渋谷109下『玉久』」)。大きな変化はないが屋上のルーバーが外され、「H&M」の看板が設置された。その背後の「極生」の看板も「長谷川スカイラインビル」の建て替えに伴い消えた。

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003 文化村通り 恋文横丁周辺

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2002年、手前に「くじら屋」「レストラン・レンカ」「美美薬局」が、美美薬局の壁面には恋文横丁の由来と、足元には「恋文横丁 此処にありき」の標がみえる。
2022年、くじら屋は移転し「オークリー」が入居(2019)。壁面の黒いポスターはくじら屋移転のお知らせ。レストラン・レンカ、美美薬局は、隣接していた「長谷川スカイラインビル」とともに建て替わり「ヤマダデンキLABI渋谷店」になった(2008)。「恋文横丁 此処にありき」の標は金属製になり少し敷地内に入ったところに残されている。道路の舗装は基本的に変わっていない。

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004 文化村通り 恋文横丁

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2002年:「美美薬局」と「長谷川スカイラインビル」の間を入って「レストラン・レンカ」に至る路地。恋文横丁の看板に「新玉川線近道」との表示があるがどれほどの人が気づいていただろうか。なお新玉川線はこの2年前に田園都市線に統合されている。
2022年:現在は「ヤマダデンキLABI渋谷店」(2008) の入口になっている。周囲は一変しているが、手前のマンホールから撮影位置を特定した。恋文横丁はこの位置から路地を入った奥にあった。詳しい位置等についてはこちらを参照(東京些末情報「映画『恋文』」)。

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005文化村通り 東急本店付近

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カラオケ館、東急本店は変わっていないが、右手のブック・ファーストのビルは建て替わりH&M(2009開業)になった。
なお東急本店とBunkamuraは2023年解体され、2027年には住居・ホテル・店舗を含んだ地上36階の施設に建て替わる予定だ(Shibuya Upper West Project)。この風景もがらりと変わる。

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006 文化村通り 東急本店から

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通りの左側、「パチンコマルハンタワー」(2016閉店)ビルには「MEGAドンキ」が開店。「カラオケ館」の背後に見える落下防止パネルは2023年開業予定の「渋谷区道玄坂二丁目開発計画」の工事現場。ドンキホーテホールディングスが地上28階建の店舗・事務所・ホテルを建設中だ(2023開業予定)。同プロジェクトの計画地内には以前「聚楽」という旅館があったが廃業後長らく駐車場であった。
つきあたりの「渋谷駅前ビル」の屋上の看板は「SAMSUNG」から「お茶漬け海苔」に。
そして何より背後にそびえる「渋谷スクランブルスクエア」(2019開業)。スケールがSF的としか言いようがない。左側の背後には「渋谷ヒカリエ」(2012開業)も見える。

8月 8, 2022 ■渋谷区渋谷定点観測02-22 |

2021.03.21

広尾5丁目:木造低層ラビリンス

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 外苑西通り、広尾橋交差点から西に向かって広尾散歩通り(広尾商店街)が伸びている。都心ながらこじんまりとした店舗が密集し、飲食店が充実した活気ある商店街だ。
 しかし商店街から北へ、聖心女子大学のある台地のふもとに向かって一歩入るとそこにはラビリンスともいうべき細街路が広がっている。

 木造低層住宅の間を幅員が1、2mほどしかない道路がクランク状に伸びる。道を歩けば家々の窓が間近に迫り、窓が開けば住民と顔を合わせ気まずくなりそうな距離だ。人様の敷地にずかずかと入っていくような感覚。クランク状の角を曲がった先で住民とばったりはち合わせをして見とがめられるのではないか。どきどき。
 この木造ダンジョンの随所に、2、3段の小規模な階段や井戸、トンネル状になった路地などがあり、空間に変化と魅力を添えている。

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P3147698薬スマイル横。抜けられます。

P2277541入るとトンネル状の路地

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P2277566小さな階段

P2277568井戸

 土地の所有関係を確認すると、この一画は大きく一筆の土地になっており、地区内にある上宮寺の所有となっている。この一画の建物は上宮寺に借地をして建てていることになる。また網の目のように走る道路は私道であり、それがこの場所が凡庸な町並みに規格化されずに残っている要因であるように思う。

 この一画が形成された時期はいつか。明治16年参謀本部陸軍部測量部の1/5000地形図では一帯は畑の表示がされているが、明治42年の参謀本部陸地測量部1万分1地形図ではすでに現在と同じ範囲が市街化しており、広尾橋交差点には路面電車の停留所ができている。明治39年の東京電気鉄道外堀線信濃町~天現寺橋間の開業(聖心女子大学「聖心歳時記」)に伴い、急速に市街化が進んだものと思われる。【吉】

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明治42年参謀本部陸地測量部1万分1地形図「三田」

3月 21, 2021 ■渋谷区 |