水兵 リーベ 僕の船
知人と元素の記憶法の話になった。「水兵 リーベ 僕の船…」というあれである。
知人は文系なので、「水兵 リーベ」までしか憶えていないという。私は理系なので、クリプトンまでは記憶している。
それにしても我ながらよく憶えているものだと思う。理系とはいえ工学系で、高校卒業以来20年、化学とは無縁な生活をおくってきたにもかかわらず、である。また文系の知人にしても、何に使うのか、赤いものやら白いものやら知らないベリリウムが周期律表の4番目にあることを知っているわけである。
ひとえに「水兵 リーベ…」という語呂合わせのなせる業といえよう。
だが待っていただきたい。デスクに向かっているから、どこへも行かないよとおっしゃるかもしれないが、待っていただきたいのだ。
「水兵 リーベ 僕の船」。これはどういう意味なのか。水兵の名前がリーベなのか。リーベは「愛する」というドイツ語として、水兵が僕の船を愛しているのか。僕とは誰か。水兵と別の人物か。
「僕の船」以降は「七曲りシップス クラークか」「名前があるシップス クラークか」と諸説あるようだが、概ね硅素以降は同じようである。「シップス」は船として、「クラーク」とは何か。「アーサー・C」か北大の銅像か。また「クラークか」と推測の形なのは何故か。何を見てクラークではないかと怪んでいるのか。
かように無意味な文章を、何の疑いもなく我々は記憶してきたのだ。まあ仮に「水兵とクラークはどういう関係か」という疑問を化学教師にぶつけても無視されるのが関の山だろうが。
話は変わるが今宅地建物取引主任の資格取得にむけて勉強中である。宅建の参考書にも語呂合わせは登場する。「水兵 リーベ」の例に漏れず、語呂合わせはいきおい妙な文章であることが多く、下らない文章を懸命に憶えていると段々情けない気持ちになってくる。これも「水兵リーベ」同様、一生頭から離れなくなるのだろうか。
何十年後か、死の床につくだろう私。いまわの際の私の脳裏に、最後に浮かぶ言葉が「どひゃ〜! 最後の木造 倒産苦 ニコニコ笑う ビルディング 心臓移植で 死ぬもよう(建築確認の要件の記憶法)」だったとしたら、どんなにこの先の人生で成功しようが、結果的に私の人生は台無しである。【吉】
8月 8, 2001 at 01:23 午後 ○その他 | Permalink
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