フレッシュマンベーカリー
1997(平成9)年3月、48年の歴史をもつ店が閉店した。
店の名は「フレッシュマンベーカリー」。自家製のカツサンドやサラダパンが一部に評判だった惣菜パン屋である。
店主の後藤昌三さんは戦前パン屋で修業し、復員後の1949(昭和24)年道玄坂小路に店を開いた。当時は配給時代であったため、客が持ち込む配給券で粉を仕入れ、パンを焼いたという。
翌年妻の岱(たか)子さんと結婚、一時は従業員が4人いたが、のちに岱子さんの弟の岡本正孝さん夫婦と4人で店を切り盛りしていた。
岱子さんによれば、道玄坂小路は60年代まで、八百屋、ブリキ屋、床屋などが建ち並ぶ職人の町で、子供の歓声や、野良犬の鳴き声が響いていたという。
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2002年7月現在まだ建物は残っている。看板は錆び、辛うじて読めるような状態だが、これは営業していた頃から。閉じた入口には閉店を報じた新聞の切り抜きが貼ってあった。
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▼参考資料
1997.04.10 読売新聞東京版 名物パン屋店じまい 東京・道玄坂に48年の「フレッシュマンベーカリー」
1994.10.31 毎日新聞社東京版 [東京さんぽ]渋谷世間話 客は変われど店変わらず
1990.02.16 毎日新聞東京夕刊 [赤でんわ]渋谷の味
1997.04.10 読売新聞東京版 名物パン屋店じまい 東京・道玄坂に48年の「フレッシュマンベーカリー」
1994.10.31 毎日新聞社東京版 [東京さんぽ]渋谷世間話 客は変われど店変わらず
1990.02.16 毎日新聞東京夕刊 [赤でんわ]渋谷の味