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2003年6月

2003.06.15

リキ・パレス

地図 昭和36年(1961)7月30日、道玄坂1-14-6の丘の上にリキ・パレスが誕生した。力道山が設立した総合スポーツセンターである。地下1階、地上9階の建物の上を銀色の円形の屋根が覆い、その頂上には王冠のモニュメントが載り、夜には光り輝いた。

 プロレスの常設会場のほかトルコ風呂「リキトルコ」、ビリヤード場、ボーリング場、レストラン「リキ・レストラン」が設けられていた。常設会場は36年8月から41年(1966)年12月までの5年間、プロレスを中心にボクシングの試合や歌謡ショーなどに用いられていた。特に日本テレビ毎週金曜に放映される試合はほとんどこの会場で行われていたという。

 日本スポーツ出版社代表取締役社長の竹内宏介は「昭和プロレス浪漫」の中でリキ・パレスの建物について次のように振り返っている。

リキ・パレスは渋谷駅を背中にした位置の左側に会場の入口があり、急な階段の左下のところに小さな切符売り場があった。(中略)会場がすり鉢型だった事もあって2階席からでも、かなり見易い会場であった。(中略)会場の入口を入った右側には小さな売店があり、そこで飲み物やサンドイッチ、お菓子の類を販売していた。

 その後リキ・パレスは売却されることとなる。正確な年月はわからないが、70年代の地図ではすでに同ビルには「ミカドボクシングジム」「総合社交場エムパイア」の表記がある。建物はそのままに、かつてリングがあったフロアはキャバレーとして使用されていたのだ。

 そして平成4年(1992)に建物も取り壊され、平成6年(1994)現在のヒューマックス渋谷ビルに建て替えられることになる。

▼参考資料
竹内宏介「昭和プロレス浪漫」日本スポーツ出版社 2001.1.23

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