« 2009年12月 | トップページ | 2010年4月 »

2010年3月

2010.03.14

高輪東禅寺まわりの道

 二本榎通りの高輪消防署横から第一京浜の方へ下る道沿いに、小さな階段がある。道の反対側からはほとんど気づかないような階段だ。覗き込むと階段の向こうは突き当たり。「さあいらっしゃい、この向こうに面白いことが待っていますよ。」と階段が呼んでいるではないか。階段に勧められるままに降りていく。
P3122187
■白い建物の横に階段が

P3122184
■階段を上から覗き込む

 階段の下にたどりつくと道は折れ曲がり、さらにゆるやかな下りの道が続いている。その一番低いところからさらに右に曲がるようになっている。別世界の予感。
P3122176
■高い擁壁の横を降りて行く道

 角を曲がった向こうは住宅地。だが普通の住宅地と何かが違う。そうか、道が不整形で、舗装もつぎはぎなんだ。普通道路の横にある雨水を流す側溝もないし。また今来た方を振り返ると高い擁壁がそびえている。小さな窪地にできた異世界。もちろん車も通らない。
P3122169
■角を曲がると広がる世界

P3122164
■今来た方には高い擁壁が

 高輪に限らず、寺の周りには変わった空間ができることが多い。お寺の地所の一部に住宅を建て、道はまだ寺の所有なのだろうか、公道の規格から外れた面白い空間ができあがっていることが多い気がする。

 さらに進めば今度は上り坂だ。表面に斜めに溝が刻んである舗装はつぎはぎだが、継ぎ目が面白いテクスチャーをつくりだしている。路面に草が生えているのも楽しい。
P3122161
■表面に溝を刻んだ上り坂

P3122135
■舗装の継ぎ目には草が

P3122163
■擁壁との境目にも草

 坂を上りきったあたりで道幅は広がり、アスファルト舗装の普通の道になるが、基本的にこじんまりとしたヒューマンスケールな住宅街が広がっている。
P3122150
■坂の上の住宅地

P3122143
■坂の上の住宅地

 そこを抜けると道は東禅寺と円福寺のうっそうとした森と塀の間を抜ける一本道になる。
P3122139_1
■お寺の塀にはさまれた道

P3122137
■今来た方を振り返る

 途中にはこんなステキなおまけも。
P3122118
■旧住居表示のプレート

 そして道は東禅寺の山門横に出る。こちら側には「車両の通り抜けできません」のサインが。しかしこれは「歩行者だけが歩けるような、面白い道がありますよ」のサインなのだ。
P3122112
■東禅寺側の入り口

【高輪東禅寺まわりの道(2)】
 最初の階段を見逃してしまった? でも安心。もう一本先の道を下りても、洞坂や洋館があり結構楽しめる。しかもこちらも東禅寺山門前に出るので、先ほどの道を逆向きにたどることもできるのだ。
P3122192
■洞坂

P3122201
■洋館

 場所はここ【吉】

北品川の古い民家の家並み

京急北品川駅から海岸通りに向け運河沿いに進む道沿いにその一角はある。  おそらくは昭和20〜30年代に建てられたとおぼしき木造住宅が集まる一角だ。道の中央には敷石が敷かれ、家のまわりの庭か路地かあいまいな空間には植栽や花が植えられている。使わなくなったコンクリート製の防火用水の桶が植木鉢として使われている。住宅として現役で、表札も出ており、写真を撮っている間にも生協のおにいちゃんが配達にきていた。
_hdr2

 しかし一方で、一部の家にはアルミ製のベランダがついていたり、樋が外れていたりと、古い民家としての保存状態はそれほどよくないことも事実だ。この一角は品川区によって「しながわ百景」に選ばれているが、品川区から家の保存のための補助などはでているのだろうか。この家並みが住民が不便を忍びながら自らの負担だけで維持しているのだとすれば気の毒な話だ。【吉】

« 2009年12月 | トップページ | 2010年4月 »