大塚坂下町
春日通りと護国寺の間、坂下通りと呼ばれる通りの一帯は谷になっている。かつて坂下通りに沿うように流れていた水窪川(東京の水 2005 Revisited)によって侵食されできた谷だ。
そしてこの谷と春日通り、護国寺の丘をつなぐようにいくつもの階段がある。図に赤く示したのが階段だ。
このエリアの階段には特徴があって、緩い傾斜が長く続いているためか、階段がいくつかに分節されていることが多い。そして段と段の踊り場状の部分には何軒かの民家が面していて、踊り場状の部分はそこに面する民家のコミュニティスペースのような空間となっている。車も通らず安全なこの空間は近所の子供にとって格好の遊び場ではないだろうか。
数段上ると平場がありその奥にも階段が見える。道幅は一定でなくそこここに出隅入隅が。
L字に屈曲する階段。秘密が隠された隙間の空間に誘われているような期待感。
黄色く塗られた小さな階段。坂の途中に繋がっているため最上段は形がいびつ。
個人宅につながる階段。緩やかな傾斜と微妙な入り口のカーブが素敵。
廃屋の横の緩やかな新しい階段とそれに続く古い石段。囲まれていて落ち着くこの空間にはベンチも置いてある。
そして中にはこんなエクストリームな階段も。まずは幅60cmの階段。道の入隅に隠れたような秘密の石段。
そして路地のつきあたりに扇状に広がった階段。階段の左右がさらに細い路地に続いており、中央は行き止まりになっている。
こんな民家もあった。家主の手によるものか、素朴な手作りのいろんな像が塀の上や玄関まわりに据えつけてある。
猫と猿、犬?
鷲?熊と般若、女性。
全景。玄関前にあるのはビリケンらしい。
【吉】