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2019年8月

2019.08.18

市谷左内町:遺跡風構造物

 市谷左内町は外堀に向かって開けた谷の南側斜面に位置している。そのため地区内には擁壁も多いが、この物件はそうした擁壁の一つの下に位置している。

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■周辺の地形と市谷左内町、物件の位置
(「東京地形図 on the Google Earth」gridscapes.netをもとに作成)

 高さ6mほどの擁壁の下部前面に高さ1.5m、奥行き4m、幅20mの段状の部分があり、全てコンクリートで固められている。中央には段上に上れる階段があり、また引き戸の溝のようなもの、コンクリートの用水槽をそのまま埋めたようなもの、その他多くの凹凸がある。マヤかアステカの遺跡のようにも見える。

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■正面から。中央の階段。

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■横方向から

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■用水槽を埋めたようなもの

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■引き戸の溝のようなもの

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■段上の様子

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■背後の擁壁の上から

 おそらくはかつて一段高くなっていた土地を建物の敷地として使っていたものを、がけ崩れ防止などの目的でコンクリートで固めたものだろうが、用水槽の埋め方や一部飛び出したような階段があることからみて、いろいろなものを中に残したままその上から荒っぽくコンクリートで固めたように見える。

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■全体図

 元々がどんな状態であったのか、1960年の住宅地図にまで遡ってみたが、この部分にはガケの記号が記してあるのみで何か建物があったことは確認できなかった。物置小屋のようなものがあっただけかもしれない。
 前面は現在では大部分が駐車場になっているが、一軒残った民家が二階の物干し台からここに出られるようになっていることから、同様に前面に建っていた民家の二階からここに出られるようになっていたのかもしれない。

1970s
■住宅地図(1970年)
公共施設地図航空株式会社 編(1970)『全国統一地形図式航空地図全住宅案内地図帳 新宿区 1970年度版』渋谷逸雄.

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